“多くの人は、心理学者EHエリクソンの「アイデンティティ」という言葉を誤解したまま使っている。 この誤解は、ユングの「コンプレックス」の場合とまったく同じだ。ユングの「コンプレックス」が、本来「心の複合性」であるのに、いつの間にか、複合性のひとつの要素に過ぎない「劣等意識」だけを取り出して、「コンプレックス=劣等感」となって、その言葉が勝手に一人歩きを始め流行語化してしまった。同じようにエリクソンの「アイデンティティ」も「自己同一性」と訳され、それが「主体性」と解され、更に単純化されて「本来の自分らしく生きること」などと、曲解されて流行語化してしまったのである。”